人との距離感からの提案。見る見られるという視線がコミュニケーションをとりながら食事をする際の重要なキーワードである。枝分かれする樹木のように林立する2人用の空間がグリッド状にあって、高さはそれぞれバラバラに浮遊している。それが集まることで互いの存在を感じる空間。高さがたまたま同じ高さになったスラブは6人用になったりする。
山岸:一個一個のユニットは動くのかと思った。上への昇り方は考えていないのか。単純なシステムであるし、分かりやすい。色々な高さで食事の風景が見えてくるのは面白い。
西野:この空間がどこにあったら面白いのか。例えば現状のレストラン街のように建物の上にあるだけでなくて、どこの階からでもアクセス出来るようにしたら面白い。提案として人と人との関係性から集合住宅へ発展できるかもしれない。
野村:テーブルの足の長さを変えてレベルの異なるフロアをまたぐと、一方からはバーカウンターに、もう一方からはちゃぶ台に、更にもう一方からは勉強机になったりする。用途は違うけれど、机を共有しているという面白い空間が生まれるのではないか。
古谷:最初に連想したのが階段。功名にテーブルと椅子が階段の機能を持ち合わせている。人の後ろを歩くのは本来は嫌なものであるけど、角を共有して内向きな空間が成立しているからそれが嫌なものにならない。レベル差を考えていけば動線を解決することができる。椅子/部屋/机の三段階の入れ子性がこの中に表現されているのは良い。